えー、アリの中には、自分で巣を作る能力がないから、他のアリを騙して巣を乗っ取るアリがいるそうです。鳥にも、他の鳥の巣に卵を植え付けて、世話させる鳥がいます…寝取る人というのも、もしかしたら自分で恋人を作る能力がないのかもしれませんね

「よぉ兄ちゃん！元気かぁ?」
「あなたは、僕の彼女を寝取ったおっさん⁉なんのようだ!!」
「そう睨むなよ、お前をヒーローにしてやろうとしているのに」
「どういうことだ?」
「あの女に飽きちまったんだ。だから、裸の写真をネタに、金を巻き上げてんだが、限界が来ちまったみたいでな」
ゴクリッ
「そこでだ、お前が俺に一千万渡してくれたら、もう女は解放してやるよ…女は俺の子とお前と一緒になれてハッピー、お前もハッピー、俺も大金が手に入ってハッピー、いい話だろ?」
男は了承し、一週間後ファミレスで会う約束をした。

「ねぇ古池君さぁ、君ねぇ、彼女を寝取られたことがあるんだって？」
「はい!そうですが、どうして?」
「今回の被害者、よく寝取りをしてたからね～参考にさぁ、話して」
「はい!僕の彼女を寝取った教師は!!女児を五人も孕ませて、幸せに…」
「ねぇ、古池君…その先生、紹介してよ」
「嫌だぁぁぁぁぁ」

「警部!被害者とファミレスで会っていた男を連れてきました」
「しっしいししししし、俺は何も知らない!!」
俺はてんぱって、ぶるぶる震えたが、大丈夫だと、気を落ち着かせた
「被害者のことは?」「知りません」「会ったことは?」「ありません」
「おかしいなぁ、会ったことも知りもしない人に、モノを渡すなんて」
「この町では、よくあることです！」
「そうなの古池君？」「そういう町も、あるんじゃないですかね？」
「ないよ、バカ!!なんで、ブランド品なんて、渡したんだい」
「た、頼まれたんです。知らない人にぃ!」
「知らない人に、渡すように知らない人に頼まれて、実行した…と」
「今日は、疲れてるんだ、帰らせてもらう」

「新田さん、あなたはどうしても、俺を犯人仕立てあげたいらしい」
「あなた、私達に嘘をつきましたね。あなたは被害者を知っているし、結婚式にも招待されている」
「俺は恋人を寝取られたんだ、そんな恥ずかしいこと堂々と言えるか」
「その腹いせに、殺害して、罪をなすりつけたぁ」
「素晴らしい発想力だ、推理小説を書いたらどうです？はっきり言えよ、証拠がないってなぁ!!」
「ブランド品の紙袋を用意したのは、間違いでした」「え?」
「彼、あなたの行動を不信に思って、保管していたんです。あなたの指紋がついた紙袋が、部屋から見つかりました。しかも、袋には、火薬がこびりついていたぁ。」
「いつから、俺が犯人だと?」「あなた爆破事件だというのに、その規模を聞かなかった」
「爆発のことを聞いたのは、ブラフか」
「はい、あんなもので爆弾が隠せるわけありません、彼女を思っているのなら、予定時刻よりも先に爆発したことを、慌てて喋るかと思ったのですが…」
「フンッ、無茶苦茶な事件だな」
「はい、私はプロでもないですし、考えながら作ってるので」